公共職業訓練のススメ
公共職業訓練とは?
ハローワークで求職を申し込みした方を対象に、職業訓練学校において、再就職を支援することを目的として就職に必要な技能や知識を身に付けるための訓練を受けることです。失業期間中は、失業給付を受けながら、勉強もできるということで近年利用者希望者が増加しています。
国、都道府県、市町村、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しており、「離職者訓練」、「在職者訓練」、「学卒者訓練」の3種に大別され、特に離職者訓練については、離職者の再就職をサポートするための様々な仕組みが置かれています。科目については、機械・金属系、電気・通信・情報系など多様な科目が設定されていて、訓練期間も6ヶ月、1年、2年と様々です。
まずは情報収集 |
受験の対象者について知ろう |
申込先・必要書類について |
職業訓練校の選考試験について |
職業訓練のメリット・デメリットについて |
職業訓練校一覧 |
全国ハローワーク所在地一覧 |
公共職業訓練を受講するためにはまず「公共職業訓練とは何か」「どんな講座があるか」を知らなければ始まりません。
申込みはハローワークを通すことになりますので、必然的にハローワークにはいろんな情報があることになります。
@まず、ハローワークにあるパンフレットを集めましょう。地域ごとに異なりますが、色々な講座が用意されています。
まずは最寄りのハローワークでいろいろパンフレットを集めてみましょう。パンフレットはもちろん無料ですし、自由に持ち帰りも可能です。とりあえず全ての講座を持ってきてもかまいませんし、
自分に合った講座を選んで、持ってきてもかまいません。
年1回しか募集を行わないような公共職業訓練コースなどもあるので、全て揃うというわけではありませんが、公共職業訓練でしていることなどの概要を知ることはできます。
また、パンフレットにはある程度の年齢が記載されています。
記載された年齢に合致する場合は「優先」されます。もちろんやる気が重要です。
やる気なさそうな感じで相談したり、面接を受けたりしても「落選」なんて憂き目に遭う場合もありますので注意しましょう。
Aハローワークの相談窓口で聞いてみる。
自分の希望などを伝えれば、希望の公共職業訓練が行われているかどうか検索して教えてくれます。
ある程度、自分の希望する業種を絞って相手に伝えるのが得策です。職員によってはパンフレットを渡されておしまいにされてしまう場合もありますが、あっさり引き下がらず、公共職業訓練についてできるだけ聞き出すように努力しましょう。
離職者にかかわらず、在職中の方でも相談することは可能です。
公共職業訓練に申し込む前に受験の条件・対象者を知りましょう。
受験条件は、
ハローワークに求職申込をしていて、受講開始日からさかのぼって1年以内に公共職業訓練を受講していない人が対象となります。また、雇用保険の受給資格のある方はもちろん、ない方も受験可能です。
対象者については以下の通りです。
@離職者対象のコース
離職者が再就職に必要な技能及び知識を習得するための職業訓練で、ハローワークに求職申込みを行っている方が対象です。
訓練期間はおおよそ3ヶ月〜1年程度。受講料金は無料です。ただし、教科書代等については自己負担です。
尚かつ、雇用保険受給対象者は給付金がすぐにもらえ、終了まで延長されます。自己都合退職による3ヶ月の給付制限期間中であっても、訓練校に通い始めた時点で、給付制限が解除され雇用保険の支給が始まるなどいいことずくめです。
※
都道府県実施の離職者訓練の中には無料にあたらない長期の講座(普通課程)に該当する物もあり、その場合は受講料は「有料」となっていますので、注意が必要です。
訓練コースの情報検索はこちらでもできます。
A学卒者対象のコース
職業に必要な高度で専門的かつ応用的な技能・知識を習得するため長期の訓練を実施しています。
訓練期間は1年〜2年で、受講料金は有料となります。
A在職者対象のコース
職業能力開発センターや高等技術専門校で、「ビジネススキル向上」「技術向上」「資格取得」などの目的において、短期の講習を行っています。
訓練期間は2日〜6ヶ月で、受講料金は有料となります。
※
@〜Bおのおの支援機構実施の講座と、都道府県実施の講座があります。
また、離職者対象のコースと学卒者対象のコースが完全に分離していない場合が多く、その場合については、同一コース内で「離職者」と「学卒者」が一緒に訓練を受講する可能性もあります。
申し込みたい講座が決まったら、早速申込みをしましょう。
そのために必要な申込先のこと、受講申込書などの必要書類を解説致します。
申込先
申込みについてはハローワークにて行います。間違っても志望する訓練校に持参などしないようにしましょう。 申込みに際し、ハローワークの職業相談/紹介窓口に職業訓練の申し込みに来た旨をつたえ、受理して貰いましょう。
必要な書類
ハローワークに提出する書類は以下の物が必要になります。
@受講申込書(先行受付票)・・・・ハローワークで貰えるパンフレットに付いています。
A証明写真(縦3cm×横2.5cm)
また、失業保険受給者資格証がある場合は用意しておきましょう。ただし失業保険受給者資格証については、退職前の方も対象ですので、その場において必須ではありません。その旨職員に申し伝えしましょう。
その他、申込書には取得した資格を記載する欄があったりしますが、、特に指定がなければ書き込まないほうがいいです。
努力して取得した資格。自慢したいのは山々ですが、自慢と引き替えに落選してしまっては意味がありません。
せっかく申し込んだ職業訓練校。試験に合格するためには、どんな試験があるのか、面接の内容についてある程度情報を収集する必要があります。
6ヶ月以上のコースの場合、職業適性検査(筆記試験)と面接が行われる場合がほとんどですが、1ヶ月〜3ヶ月のコースの場合は書類選考だけの場合も多くあります。
筆記試験について
筆記試験では、大きく分けて国語や数学といった知識を測る試験と、SPIに似た適性検査の2種類があります。
双方出題されることはなく、どちらか一方の出題となります。
ただし、この学力試験。当落選考の比率からすると相当低いです。重要なのは面接と言うことです。
選考する側からすれば、筆記試験は最低限分かっていれば良く、面接によって継続できるか?就職に困っているか?真剣か?が見たいようですよ。
その他、筆記試験については、過去問を掲載しているところもあります。
宮城、
東京、
埼玉、
千葉、
大阪、
岡山、
広島、
長崎、
沖縄
筆記試験の重要度は高くありませんが、少しでも対策を練っておきましょう。
面接について
試験において面接は重要です。
選考する人は、「再就職の意欲のある人」、「再就職出来そうな人」を選んでいるのです。
ですから、面接官に対しては、志望動機や自分が今置かれている大変な状況、修了後の展望などアピールする必要があります。
以下に大体質問される内容を記載しておきますので、よく読んで頂き、対策を練っておきましょう。
- ① 志望動機
どうしてこのコースを選んだのかを答える必要があります。 - ② このコースで何を学ぶのか?
コースの中でどういったことを学んで、就職に活かせるかを答えましょう。 - ③ 現時点での知識は?
希望したコースの知識があるとマイナスポイントです。知識や経験が少ないが、どうしてもこのコースにあった企業に就職したいことを伝えましょう。 - ④ いままでの求職活動の努力について
ハローワークで検索した程度なんて答えちゃ行けません。ハローワークで求人申込した人はそれに合わせて、求職サイトを利用し、どれくらい応募したかを伝えます。ハローワークで求人申込したことない人は、他の求職サイトをどれくらいの期間利用して、どの程度応募したかなどを答えます。双方とも、何社も受験したけどどうしても合格することができないため、職業訓練校でしっかりした知識と経験を身につけて就職戦線を勝ち抜きたいと言った旨伝えましょう。 - ⑤ 就職においての希望職種・業種・規模、就職するまでの期間は?
職種・業種においては、選んだコースに則したものを答えましょう。規模については中小企業でOK。大企業などと答えて夢物語を語るのは不可です。就職するまでの期間については講習修了後即就職したい旨伝えましょう。 - ⑥ このコースに落ちたら?
再度受けるとか、他県の講座を受ける!なんて言っちゃ行けません。「困ります!どうしても就職したいんです!そのために知識が必要なんです!!」といった感じで答えましょう。 - ⑦ 自己PRタイム
面接官に対してのアピールタイムです。現時点の苦境、講座に対する熱意、講座修了後の展望など相手に分かるように伝えましょう。 - ⑧ 質問タイム
コースや講座の内容について質問しましょう。極力「特にありません」「休日はいつ?」なんて質問は辞めておきましょう。分からないことは突っ込んで聞いていきましょう。それによって、真剣さが伝わるのです。
上記内容もそうですが、合った瞬間に不快感を与えないように、髪型・服装にも注意しましょう。
社会人としてふさわしい印象を与えましょう。男性の場合、私服よりはスーツの方が相手に与えられる印象もいいようです。
また、面接当日は髭剃りなどを忘れずにしましょう。
女性の場合は、私服でも問題ないようですが、奇抜な衣装などは相手に不快感を与える恐れがあります。
お金に余裕があるならスーツを用意しましょう。無ければ友人やレンタルで借りると言った選択肢もあります。
制度の説明や面接などの対策をしてきましたが、ここで公共職業訓練のメリットについて解説させて頂きます。メリットが非常に多い制度なんです。
メリットは?
- ① まず一番のメリットは無料(テキスト代などは別途)で学べる!
通常スクールなどに通って受講すれば何十万のお金がかかります。でも故郷職業訓練なら無料。就職に必要な知識や技術のほか、資格を取得することも可能なんです。それに、コースによっては、資格の受験資格の取得ができます。 - ② 失業保険(雇用保険)がすぐにもらえる!
失業保険(雇用保険)受給資格者であれば、とってもおいしいシステムがアナタを待っています。通常、会社を自己都合退職した場合は給付制限というものが有り、3ヶ月もの間無収入です。でも、公共職業訓練に通い始めた時点で、給付制限が解除され、失業保険(雇用保険)の給付が始まります。訓練中に失業保険(雇用保険)の受給期間が終わってしまう場合でも、講座の終了までは給付が延長!さらになんと!通学にかかる交通費(通所手当:最高42,000まで)や受講手当(日額500円)や寄宿手当(月額10,700円)も支給されます! - ③ 認定日にいかないで済む!
失業保険(雇用保険)を受給している場合、通常であれば1ヶ月に1回ハローワークに行き、認定を受けなくてはなりませんが、公共職業訓練受講中は支給の手続きを職業訓練校が代行してくれます。 - ④ 1〜2年コースは、学割定期が利用できる!
長期のコースの場合、受講期間中は学生として認定され、定期について学割で購入することができます。支払は1ヶ月単位の金額で行われますので、まとめて6ヶ月定期を購入するなんて手もあります。 - ⑤ 再就職の斡旋がある!
ハローワークの職業斡旋を経験してから入校してみると分かりますが、職業訓練校の職員の方はモーレツに再就職の斡旋をしてくれます。非常にありがたいことです。 - ⑥ 受講中に万が一の事故でも安心!
訓練中や通校中の万一の事故に合った場合でも訓練生災害見舞金支給制度(例:京都)や任意加入の保険制度があり、安心して勉強に励むことができます。 - ⑦ 通所が難しくても助けてくれる!
遠方で通所が難しい場合でも、「寄宿舎」が用意されているところもありますし、経済的な部分では技能者育成資金の貸付制度もあったりします。
デメリットは?
- ① 長期コースの場合、時期が限られる
長期コースの場合は大体において4月入所になります。ですので、退職時期によっては長期コースが全くなく、受験することすらできない場合もあります。ねらっているなら、退職時期も重要になってます。デモそういうわけにもいきませんけどね。。 - ② 人気のコースで落ちることも。
職業訓練のコースには様々なものが有り、当然人気、不人気のコースが出てきます。人気のコースは合格率が低くなり、不人気のコースの場合は全員入所なんて場合もあります。受験する都道府県によって違いはありますが、パソコン関連、医療事務関連などが人気を集めています。そのほか、管轄で行われた試験の倍率を知りたい場合は求職者向け公共職業訓練コース情報サイトにアクセスし、都道府県にチェックを入れ、「募集状況」の募集終了だけを選んで検索すると過去の倍率を見ることができます。
メリットが多く、デメリットが少ないこの公共職業訓練、せっかくのイイ制度を活用してみませんか?
職業訓練校の問い合わせ先のリンクです。ココでは掲載しきれなかった情報もいっぱいありますので、公共職業訓練に興味がありましたら、ご覧下さい。
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