放射線取扱主任者
放射線取扱主任者とは?
放射線取扱主任者とは、放射線障害防止法に基づき、放射性同位元素あるいは放射線発生装置を取扱う場合に、放射線障害の防止について監督を行う者です。取扱い区分により第1種、第2種と第3種とに分けられています。第1種及び第2種は文部科学大臣登録試験機関が主任者試験を行い、合格者は更に、文部科学大臣登録資格講習(以下、資格講習)機関の資格講習を受講することによって国家資格を取得できる。第3種は主任者試験が不要で、資格講習を受講することによって直接に国家資格を取得できます。また、第1種放射線取扱主任者試験に合格した者は、核燃料取扱主任者試験において【放射線測定・放射線障害防止に関する技術】が免除されます。
その他情報
難易度は? | : | ★★★☆☆(普通)。 近年合格率は、第1種:33.0%、第2種:24.7%ほど。
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就職は? | : | 放射線同位元素や放射線発生装置を扱う事業所、販売所、廃棄事業所、病院や研究機関、製造業などで活躍できます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
仕事内容は? | : | 精密機器メーカーや病院などの放射線設備の日常のメンテナンスや修理、新製品の開発などを行います。 |
資 格 概 要
受験資格
●第1種・第2種試験・・・・制限なし
●第1種講習・・・・18歳以上ので、第1種放射線取扱主任者試験に合格した者。
●第2種講習・・・・18歳以上ので、第2種放射線取扱主任者試験に合格した者。
●第3種講習・・・・18歳以上の者。
試験内容
●第1種試験(2日間/全課目択一式問題・マークシート方式)
□1日目
- ① 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目(五肢択一式:30問/75分)
- ② 第一種放射線取扱主任者としての実務に関する課目(多肢択一式:6問/100分)
- ③ 物理学のうち放射線に関する課目(五肢択一式:30問、多肢択一式:2問/110分)
□2日目
- ④ 化学のうち放射線に関する課目(五肢択一式:30問/110分)
- ⑤ 生物学のうち放射線に関する課目(五肢択一式:30問/110分)
●第2種試験(全課目択一式問題・マークシート方式)
- ① 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目(五肢択一式:30問/75分)
- ② 第二種放射線取扱主任者としての実務に関する課目(五肢択一式:10問、多肢択一式:2問/75分)
- ③ 物理学のうち放射線に関する課目、化学のうち放射線に関する課目、生物学のうち放射線に関する課目(五肢択一式:10問、多肢択一式:1問/120分)
※
合格後、指定講習(1種は5日間、2種が3日間)を受講する必要があります。
●第1種講習(5日間:30時間)
□1日目
- ① 放射線安全管理の基本(3時間30分)
- ② 装備機器及び放射線安全装置の概要と安全管理(2時間)
- ③ 事務連絡及び、施設見学(1時間10分)
□2日目
- ① 密封線源と非密封放射性物質の安全取扱い業務(2時間)
- ② 取扱施設安全管理実習(1時間)
- ③ 放射線測定器の特性及び空間線量率の測定(4時間)
- ④ データ処理(50分)
□3日目
- ① 実習講義(30分)
- ② 汚染状況の測定(空気中濃度、水中濃度)(3時間)
- ③ 汚染状況の測定(空気中濃度、水中濃度)(3時間30分)
- ④ レポート整理(50分)
□4日目
- ① 異常時の対策と措置(1時間)
- ② 実習講義(30分)
- ③ 汚染状況の測定と除染方法(表面汚染密度の測定及び汚染の除去)(2時間)
- ④ 汚染状況の測定と除染方法(表面汚染密度の測定及び汚染の除去)(3時間30分)
- ⑤ レポート整理(50分)
□5日目
- ① 放射性物質の安全取扱実務まとめ(1時間)
- ② 放射線施設の安全管理業務(2時間)
- ③ 放射線安全管理の実務(記帳・記録、施設管理、報告等)(2時間)
- ④ 実習レポート論評(1時間)
- ⑤ 修了試験(20問/1時間)
- ⑥ 試験結果発表(40分)
- 修了試験に不合格となった方は、1回のみ補講と追試験を受けることができます。
- 追試験に不合格となった方は、再度受講料を支払い、受講することになります。
●第2種講習(3日間)
□1日目
- ① 放射線測定の理論およびその実務(2時間)
- ② 実習ガイダンス(40分)
- ③ 放射線測定実習(4時間)
- ④ レポート整理(20分)
□2日目
- ① 放射線安全管理の基本(3時間)
- ② 密封放射性同位元素の取扱いの安全管理(2時間30分)
- ③ 密封放射性同位元素の取扱いの実習(1時間30分)
□3日目
- ① 事故及び危険時の措置と対策(2時間)
- ② 放射線施設の安全管理(1)(1時間)
- ③ 放射線施設の安全管理(2)(1時間)
- ④ 実習レポート講評(50分)
- ⑤ 修了試験(20問/1時間)
- ⑥ 閉校式、免状交付申請(40分)
- 「東京」と「京都・近畿」では多少カリキュラムが異なります。上記は「東京」のカリキュラムです。
- 修了試験に不合格となった方は、1回のみ補講と追試験を受けることができます。
- 追試験に不合格となった方は、再度受講料を支払い、受講することになります。
●第3種講習(2日間)
□1日目
- ① 放射線及び放射性同位元素の概論(1時間30分)
- ② 放射線の人体に与える影響に関する影響(1時間30分)
- ③ 放射線安全管理の基本(1時間)
- ④ 放射線障害の防止に関する法令(1)(1時間)
- ⑤ 放射線障害の防止に関する法令(2)(1時間)
□2日目
- ① 放射線測定の理論及びその実務(1時間)
- ② 放射線測定実習(2時間)
- ③ 事故及び危険時の対策と措置(1時間)
- ④ レポート整理(50分)
- ⑤ 修了試験(20問/1時間)
- ⑤ 閉校式、免状交付申請(40分)
- 「青森・東京」と「大阪」では多少カリキュラムが異なります。上記は「青森・東京」のカリキュラムです。
- 修了試験に不合格となった方は、1回のみ補講と追試験を受けることができます。
- 追試験に不合格となった方は、再度受講料を支払い、受講することになります。
合格基準
●第1種・第2種試験
全試験課目が60%以上の得点率であり、なおかつ試験課目毎の得点が50%以上の得点率で合格となります。
●第1種・第2種・3種講習 修了試験
正答率60%以上で合格となります。
身体上の障害等に係る特別措置について
障害のため、以下の各項目についての措置を希望する者は、受験申込書等請求時に申し出を行って下さい。受験申込書とともに送付された「特別措置に関する申請書」に必要事項を記載し、受験申込書等と併せて提出してください。
願書申込み受付期間
5月中旬〜6月中旬頃まで
試験日程
■試験
●第1種・・・・8月下旬頃の2日間
●第2種・・・・8月下旬頃
受験地
■試験
札幌、東京、大阪、福岡
●第1種講習
京都
●第2種講習
東京、京都、大阪
●第3種講習
青森、東京、大阪
受験料(税込み)
●第1種・・・・19,800円
●第2種・・・・14,124円
●第1種受講料・・・・167,546円
●第2種受講料・・・・103,176円
●第3種受講料・・・・93,398円
合格発表日
10月下旬頃
合格後の更新について
通常は更新の必要はありませんが、事業所等において放射線取扱主任者として選任されている場合は、定期的に講習を受ける義務があります。
受験申込・問合せ
- 公益財団法人 原子力安全技術センター主任者試験グループ 03-3814-7480
- 公益財団法人 原子力安全技術センター西資本事務所 06-6450-3320
□講習問い合わせ
- 公益財団法人 原子力安全技術センター西日本事務所 西日本研修センター
06-6147-3580、3581(1種、2種、3種/西日本) - 原子力安全技術センター 放射線安全部 研修センター
03-3814-7100(2種、3種/東日本) - 原子力安全技術センター 防災技術センター 青森研修センター
0175-71-1185 (3種/青森)
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参考書・問題集
放射線取扱主任者に関連する資格
核燃料取扱主任者 エックス線作業主任者 ガンマ線透過写真撮影作業主任者