ピアノ調律技能士
ピアノ調律技能士とは?
ピアノ調律技能士とは、2011年9月、厚生労働大臣から認可された、社団法人日本ピアノ調律師協会が実施するピアノの調律に関する技能を一定の基準により検定し、国として証明する新しい技能士資格です。名称独占ですが、この資格がなければ調律の仕事ができないという事はありません。また、音叉やチューナー等を使用して音程を合わせるため、絶対音感が必要と言うこともありません。
その他情報
難易度は? | : | 1級:★★★☆☆(普通)。 2級、3級:★★☆☆☆(やや易しい)。 近年合格率は、 1級学科:71%、1級実技:33% 2級学科:86%、2級実技:40% 3級学科:89%、3級実技:36%ほど。
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勉強時間は? | : | 1年〜。 ピアノ調律養成専門学校で学ぶことにより、ピアノ調律に関する業務(職業)に携わった期間と認められるため、2級ならびに3級に関しては、在学中に取得することが可能。また1級に関しては、通常の実務経験年数より2年短縮しての受験が可能のため、専門学校に通うことが取得への一番の近道です。 学校及び養成機関はこちら |
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就職は? | : | ピアノメーカー、調律センター、中古ピアノ取扱店、ピアノ教室のメンテナンススタッフなど。 調律料金はグランドピアノであれば、1万5千円前後。アップライトピアノ(縦型)であれば、1万2千円前後。定期的に調律する場合は上記から1割くらい安くなります。コンサート用・グランドピアノであれば、2万円前後。独立も可能ですが、少子化や音による騒音などによるピアノ離れが多い現在では、少ない顧客の取り合いをするため、稼げるかどうかは本人の技術力や営業努力に期するところが多く、調律だけで生計を立てるのは厳しいです。また福利厚生も期待しない方がいいです。 | ||||||||||||||||||||||||||||
仕事内容は? | : | ピアノの置かれている環境によって伸び縮みする金属弦を、音叉やチューナー等を使用して正しい音程、音階にするための調律や、鍵盤タッチを整える整調、ピアノの修理を行います。 |
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資 格 概 要
受験資格
●1級
□学科試験
- 7年以上の実務経験※1を有する者
- 専門高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校、養成機関※4を卒業又は普通職業訓練を修了※2後、5年以上の実務経験※1を有する者
- 大学※2卒業後、3年以上の実務経験※1を有する者
- 2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験※1を有する者
□実技試験
- 1級学科試験の合格者※3
●2級
□学科試験
- 2年以上の実務経験※1を有する者
- 専門高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校、養成機関※4を卒業又は普通職業訓練を修了(※2)後、1年以上の実務経験※1を有する者
- 大学※2を卒業した者
- 3級の技能検定に合格した者
□実技試験
- 2級学科試験の合格者※3
●3級
□学科試験
- 1年以上の実務経験※1を有する者
- 大学、専門高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校、養成機関※4を卒業又は普通職業訓練を修了※2した者
- 大学、専門高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校、養成機関※4に在学する者又は普通職業訓練をうけている者※2
□実技試験
- 3級学科試験の合格者※3
※1
実務経験とは、ピアノ調律に関する業務に携わった経験のことである
※2
学校卒業、訓練修了については、 卒業又は修了した当該科に社団法人日本ピアノ調律師協会(以下「協会」という。)が定めたピアノ調律に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限る。
※3
当該実技試験が行われる日が、学科試験に合格した日の翌日から起算して2年を経過する日の属する年度の末日以内である場合に限る。
※4
養成機関とはピアノメーカー内のピアノ調律師養成機関を言い、受験年の9月の時点に於いては「カワイ音楽学園」、「ヤマハピアノテクニカルアカデミー」及び「アポロ調律藝術学院」を指す 。
学校及び養成機関はこちら
試験内容
●1級
□学科試験(50題:真偽問題(A群)25題、多岐択一問題(B群)25題/60分)
- ① 音楽一般
- ② ピアノ概論
- ③ ピアノ調律
- ④ ピアノ整調
- ⑤ ピアノ整音
- ⑥ ピアノ修理
- ⑦ ハイブリッドピアノのメンテナンス
□実技試験
- ① ピアノ調律作業
- グランドピアノ調律作業(80分)
- (1) 指定ピッチ
- (2) 平均律
- (3) 割り振り
- (4) ユニゾン
- (5) オクターブ
※
調律工具を使用し、グランドピアノ及びアップライトピアノの指定ピッチ及び平均律による 全音域の調律を行う。ピッチは試験当日に指定(440Hz又は442Hz)するものとし、音叉を使用するものとする。
- アップライトピアノ調律作業(80分)
- (1) 指定ピッチ
- (2) 平均律
- (3) 割り振り
- (4) ユニゾン
- (5) オクターブ
- ② ピアノ整調作業
- グランドピアノ整調作業(20分)
- (1) 鍵盤
- (2) アクション
- (3) ペダル
- (4) 機能点検
- アップライトピアノ整調作業(10分)
- (1) 鍵盤
- (2) アクション
- (3) ペダル
- (4) 機能点検
※
整調工具を使用し、グランドピアノ及びアップライトピアノの一部(指定された13鍵)の整調を行う。
- ③ ピアノ修理作業(30分)
- 張弦
グランドピアノの実機を用いて、張弦(玉造りを含む。)の工程及び方法による作業
- センターピン交換
グランドピアノの修理に関し、アクションパーツを用いて、ハンマーシャンクフレンジセンターピン交換の工程及び方法による作業
- ダンパーワイヤー交換
グランドピアノの修理に関し、実機を用いて、ダンパーワイヤー交換の工程及び方法による作業
※
修理工具を使用し、グランドピアノの張弦(玉造りを含む)、グランドピアノハンマーシャンクフレンジセンターピン交換及びグランドピアノダンパーワイヤー交換の修理を行う。
●2級
□学科試験(50題:真偽問題(A群)25題、多岐択一問題(B群)25題/60分)
- ① 音楽一般
- ② ピアノ概論
- ③ ピアノ調律
- ④ ピアノ整調
- ⑤ ピアノ修理
- ⑥ ハイブリッドピアノのメンテナンス
□実技試験
- ① ピアノ調律作業
- アップライトピアノ調律作業(90分)
- (1) 指定ピッチ
- (2) 平均律
- (3) 割り振り
- (4) ユニゾン
- (5) オクターブ
※
調律工具を使用し、アップライトピアノの指定ピッチ及び平均律による全音域の調律を行う。ピッチは試験当日に指定(440Hz又は442Hz)するものとし、音叉を使用するものとする。
- ② ピアノ整調作業
- グランドピアノ整調作業(15分)
- (1) 鍵盤
- (2) アクション
- (3) ペダル
- (4) 機能点検
- アップライトピアノ整調作業(10分)
- (1) 鍵盤
- (2) アクション
- (3) ペダル
- (4) 機能点検
※
整調工具を使用し、グランドピアノアクションモデル及びアップライトピアノの一部(指定された13鍵)の整調を行う。
- ③ ピアノ修理作業(30分)
- 張弦
アップライトピアノの修理に関し、張弦キットを用いて、張弦(玉造りを含む。)の工程及び方法による作業
- センターピン交換
アップライトピアノの修理に関し、アクションパーツを用いて、センターピン(木部合わせ)交換の工程及び方法による作業
- ダンパーワイヤー交換
アップライトピアノの修理に関し、アクションパーツを用いて、スプリングとコード交換の工程及び方法による作業
※
修理工具を使用し、張弦用キットでの張弦(玉造りを含む)、並びにアップライトピアノのアクションパーツでのセンターピン(木部合わせ)交換及びスプリングとコード交換の修理を行う。
●3級
□学科試験(50題:真偽問題(A群)25題、多岐択一問題(B群)25題/60分)
- ① 音楽一般
- ② ピアノ概論
- ③ ピアノ調律
- ④ ピアノ整調
- ⑤ ピアノ修理
- ⑥ ハイブリッドピアノのメンテナンス
□実技試験
- ① ピアノ調律作業
- アップライトピアノ調律作業(100分)
- (1) 指定ピッチ
- (2) 平均律
- (3) 割り振り
- (4) ユニゾン
- (5) オクターブ
※
調律工具を使用し、アップライトピアノの指定ピッチ及び平均律による全音域の調律を行う。ピッチは試験当日に指定(440Hz又は442Hz)するものとし、音叉を使用するものとする。
- ② ピアノ整調作業
- アップライトピアノ整調作業(15分)
- (1) 鍵盤
- (2) アクション
- (3) 機能点検
※
整調工具を使用し、アップライトアクションモデルの整調を行う。
- ③ ピアノ修理作業(25分)
- 張弦
アップライトピアノの修理に関し、張弦用キットを用いて、張弦(玉造りを含まない。)の工程及び方法による作業
- コード類交換
アップライトピアノの修理に関し、アクションパーツを用いて、バットスプリングコード交換の工程及び方法による作業
※
修理工具を使用し、張弦用キットでの張弦(玉造りを含まない)、及びアップライトピアノのアクションパーツでのバットスプリングコードの修理を行う。
各級、学科、実技とも70%以上の正答率で学科合格となります。
※
実技試験は、減点法により採点されます。
また、1級及び2級はピッチ誤差±5セント以上、3級はピッチ誤差±9セント以上ピッチが外れると失格となります。
合格基準
学科試験
満点の70%以上の得点率で合格となります。
実技試験
級ごとに定める作業の科目のすべてについて、満点の70%以上の得点率で合格となります。(減点法)
免除(科目等)について
- 1級の技能検定において学科試験のみに合格した者※5は、1級の学科試験の全部が免除。
- 1級又は2級の技能検定において学科試験のみに合格した者※5は、2級の学科試験の全部が免除。
- 1級、2級又は3級の技能検定において学科試験のみに合格した者※5は、3級の学科試験の全部が免除。
- ピアノ調律職種の指定試験機関技能検定委員であって、試験問題作成に係る職務に2年以上携わった者は、1級、2級及び3級の学科試験及び実技試験の全部が免除。
- ピアノ調律職種の指定試験機関技能検定委員を5年以上務めた者は、1級の実
技試験の全部と2級及び3級の学科試験及び実技試験の全部が免除。 - ピアノ調律職種の指定試験機関技能検定委員を2年以上務めた者は、2級の実
技試験の全部と3級の学科試験及び実技試験の全部が免除。
※5
学科試験の免除を受けることのできる期間は、当該学科試験に合格した日の翌日から起算して2年を経過する日の属する年度の末日までに限る。
願書申込み受付期間
●1級(学科・実技両方受験者、学科免除者)
4月上旬〜5月下旬頃
●2級(学科・実技両方受験者)
4月上旬〜5月下旬頃
●2級実技試験(学科免除者)
6月上旬〜7月下旬頃
●3級(学科・実技両方受験者)
8月上旬〜9月下旬頃
●3級実技試験(学科免除者)
10月上旬〜11月下旬頃
試験日程
●1級
□学科・・・・7月上旬頃
□実技・・・・10月頃〜2月のいずれかの日(学科免除者は7月〜10月頃)
●2級
□学科・・・・7月上旬頃
□実技・・・・9月〜2月のいずれかの日(学科免除者も同様)
●3級
□学科・・・・11月中旬頃
□実技・・・・翌年1月〜2月のいずれかの日(学科免除者も同様)
受験地
●1級
□学科試験
北海道、宮城、新潟、東京、静岡、愛知、石川、大阪、広島、香川、福岡
□実技試験・・・・静岡
●2級、3級
□学科試験
北海道、宮城、新潟、東京、静岡、愛知、石川、大阪、広島、香川、福岡
□実技試験
北海道、宮城、東京、静岡、愛知、京都、福岡
受験料
□学科
8,500円(各級)
□実技
1級・・・・29,500円
2級・・・・26,500円(減免措置対象者は、17,500円)
3級・・・・23,500円(減免措置対象者は、14,500円)
下記@〜Bに該当する受検者は減免措置を受けることが出来ます。
- ① 2級又は3級の実技試験を受ける者
- ② 受検年の4月1日において、35歳未満の者
- ③ 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)別表第一の上覧の在留資格をもって在留する者以外の者。
合格発表日
□学科試験・・・・試験終了約3週間後
□実技試験・・・・翌年3月末頃
受験申込・問合せ
一般社団法人 日本ピアノ調律師協会 03-3255-3897
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