公的資格 地質調査技士

地質調査技士とは?

地質調査業務のうち、現場でボーリングや各種計測・試験を行う技術者の知識と技能を認定する資格です。資格の登録期間は5年間で、更新のためには、登録更新講習会で受講し資格の更新を行うか、登録更新講習会を受講する代わりにCPD単位の取得をして更新を行います。
土壌・地下水汚染部門については、2021年度の試験実施をもって、当分の間、休止となっています。
  更新が必要な資格

その他情報

難易度は? ★★☆☆☆(やや易しい)。
現場調査部門:38.1%
技術・管理部門:31.0%
土壌地下水汚染部門:32.5%ほど。
ボーリング作業など地質調査の実務経験が必要なので、働きながら取得することになるが、参考書などで勉強すれば、十分取得できます。
就職は? 建築関連、地質調査業。公的工事において現場代理人として地質調査技士の指定をするところも多く、将来性も高い資格です。また、資格取得すれば月手当が支給される企業もあります。
仕事内容は? デベロッパー、ハウスメーカー、官公庁等への地質調査、設計施工管理を行います。

関連書籍はこちら 資格[PR]


 資 格 概 要

受験資格

●現場調査部門

  • (1) 地質調査を目的としたボーリング機器等の操作を行う実務に関して5年以上の経歴を有する者。
  • ※経歴は、通算して5年以上を満たせば可。
  • ※次の機器等の操作を行う実務は、経歴の対象とはなりません。
  • 宅地や盛土などの調査で取り扱うサウンディング調査機器
  • 土壌地下水汚染調査で取り扱う簡易なサンプリング調査機器等
  • 土壌地下水汚染調査”を目的としたボーリング機器の操作を行う実務は、受験資格で必要とする5年以上の経歴の一部として含むことができます(全てこの経歴の場合は不可)。
    ただし、筆記試験や口頭試験の出題内容は、地質調査を目的としたボーリングなどに関する知識や経験を問う内容を中心に出題し、採点評価を行います。
  • (2) 下記の専門学校指定学科を卒業(「地質調査技士資格認定証」を授与)し、かつ、 地質調査を目的としたボーリングに関する機器等の操作を行う実務に関して2年以上の実務経歴を有する者。
  • 専門学校指定学科 中央工学校(土木建設科環境地盤専攻)
  • 対象者は検定試験を免除し、書類審査で合否を判断します。
  • 「地質調査技士資格認定証」の有効期限は、発行してからの10年間となります。

●現場技術・管理部門

  1. 大学、高等専門学校(専攻科)、専修学校(高度専門士) で専門課程※2、※3を専攻卒業し、実務経験3年以上の者。
  2. 大学、高等専門学校(専攻科)、専修学校(高度専門士) で専門課程以外の理工系課程を専攻卒業し、実務経験5年以上の者。
  3. 大学、高等専門学校(専攻科)、専修学校(高度専門士) で上記1.2.以外の課程を専攻卒業し、実務経験6年以上の者。
  4. 短期大学、高等専門学校、専修学校(専門士)で専門課程※2、※3を専攻卒業し、実務経験5年以上の者。
  5. 短期大学、高等専門学校、専修学校(専門士)で専門課程以外の理工系課程を専攻卒業し、実務経験7年以上の者。
  6. 短期大学、高等専門学校、専修学校(専門士)で上記4.5.以外の課程を専攻卒業し、実務経験6年以上の者。
  7. 高等学校、その他で専門課程を専攻し卒業して、実務経験7年以上の者。
  8. 高等学校、その他で専門課程以外を専攻し卒業して、実務経験8年以上の者。

●土壌・地下水汚染部門

2021年度より当分の間、休止となりますが、登録更新は従来通り実施されます。

  1. 大学、高等専門学校(専攻科)、専修学校(高度専門士) で専門課程※2、※3を専攻卒業し、実務経験3年以上の者。
  2. 大学、高等専門学校(専攻科)、専修学校(高度専門士) で専門課程以外の理工系課程を専攻卒業し、実務経験5年以上の者。
  3. 大学、高等専門学校(専攻科)、専修学校(高度専門士) で上記1.2.以外の課程を専攻卒業し、実務経験6年以上の者。
  4. 短期大学、高等専門学校、専修学校(専門士)で専門課程※2、※3を専攻卒業し、実務経験5年以上の者。
  5. 短期大学、高等専門学校、専修学校(専門士)で専門課程以外の理工系課程を専攻卒業し、実務経験7年以上の者。
  6. 短期大学、高等専門学校、専修学校(専門士)で上記4.5.以外の課程を専攻卒業し、実務経験6年以上の者。
  7. 高等学校、その他を卒業し、実務経験8年以上の者。

試験内容

●現場調査部門
※四肢選択問題は必須問題と選択問題があります。必須問題約60問のほか、選択問題のA群(土質分野-約20問)とB群(岩盤分野-約20問)のいずれか一方を任意選択の上、合計80問を解答します。

□筆記試験(四肢択一:80問)
  • ① 社会一般、建設行政、入札・契約制度等の知識
  • 社会一般、建設行政等(建設産業関連法令、技術者制度、技術者倫理など)
  • 入札・契約制度等(発注方式、仕様書、委託契約、守秘義務、瑕疵担保など)
  • ② 地質、測量、土木・建築一般等の知識
  • 地質、測量(地形、地理、鉱物、地震、火山など)
  • 土木・建築一般等(構造物基礎、液状化、地すべり、トンネル、ダムなど)
  • ③ 現場・専門技術の知識
  • ボーリング機器(名称・用途・機構等)
  • 運搬・仮設(掘進開始前および終了後の作業を行うための技術)
  • 掘進技術(目的に応じたボーリングを確実に行うための技術)
  • サンプリング・原位置試験および孔内検層(試料採取と現場における諸試験に関する知識と技法)
  • 岩・土の判別分類(現場における岩や土の判別分類の知識と日報、柱状図等の作成方法)
  • ④ 調査技術の理解度
  • 岩の性質、岩石試験の適用と解釈および結果のまとめ(その他探査技術を含む)
  • 土の性質、土質試験の適用と解釈および結果のまとめ(その他探査技術を含む)
  • ⑤ 管理技法
  • 法規、渉外、安全管理と工程管理、積算など
□記述式問題(1問または2問)
  • ① ボーリング作業、工程・安全・品質の管理など
□口頭試験
  • 質調査を目的としたボーリングに関する必要な知識、経験等を中心に試問いたします。なお、試問内容は、受験願書の記載項目「主な調査対象」で選択した「土質」、「岩盤」を参考に、それぞれの種類に応じて試問いたします。
  • 験願書に記載の実務経歴に基づき、経験や実務の技能的なものを試問し、あわせて態度および人物等について観察し、地質調査技士としてふさわしいか否かを採点いたします。受験者は口頭試験委員の試問意図をはっきり理解して応答して下さい。

●現場技術・管理部門(四肢択一式問題:全100問)

□筆記試験(四肢択一:100問)
  • ① 社会一般、建設行政、入札・契約制度等の知識
  • ② 
  • 社会一般、建設行政等(建設産業関連法令、技術者制度、技術者倫理など)
  • 入札・契約制度等(発注方式、仕様書、委託契約、守秘義務、瑕疵担保など)
  • ② 地質、測量、土木・建築一般等の知識
  • 地質、測量(地形、地理、鉱物、地震、火山など)
  • 土木・建築一般等(構造物基礎、液状化、地すべり、トンネル、ダムなど)
  • ③ 現場・専門技術の知識
  • ボーリング機器(名称・用途・機構等)
  • 運搬・仮設(掘進開始前および終了後の作業を行うための技術)
  • 掘進技術(目的に応じたボーリングを確実に行うための技術)
  • サンプリング・原位置試験および孔内検層(試料採取と現場における諸試験に関する知識と技法)
  • 岩・土の判別分類(現場における岩や土の判別分類の知識と日報、柱状図等の作成方法)
  • (土質試験・岩石試験)試験法の概要、試験の手順、試験機器の概要、試験目的など
  • (物理探査、物理検層)原理、探査深度、探査実施計画、測線点設置計画など
  • ④ 調査技術の理解度
  • 地質踏査、調査の目的・計画、調査結果の適用と解釈、資料のまとめ方など
  • (土質試験・岩石試験)基礎理論、得られる物性、データの整理・解釈など
  • (物理探査、物理検層)探査法と限界、探査法の選定、探査の精度・範囲など
  • ⑤ 解析手法、設計・施工への適用
  • 土質・地質解析手法、設計・施工の基礎知識など
  • (土質試験・岩石試験)試験結果の解釈と設計・施工への適用
  • (物理探査・物理検層)探査結果の解釈と設計・施工への適用
  • ⑥ 管理技法
  • 法規、渉外、安全管理、工程管理など
  • (土質試験・岩石試験)室内試験に関する管理技法
  • (物理探査・物理検層)火薬類管理など
□記述式問題(論述式:2問)
  • ① 倫理綱領に関する問題(論述式-必須問題:1問)
  • ② 地質調査技術等に関する問題(論述式-選択問題)
    以下4問のうち1問を選択し解答
  • 地質調査全般(土質、岩盤)2問
  • 土質試験・岩石試験の技術 1問
  • 物理探査・検層専門の技術 1問

●土壌・地下水汚染部門(四肢択一式問題:全100問)

2021年度度の試験実施をもって当分の間、休止となりますが、登録更新は従来通り実施されます。

□筆記試験(四肢択一:100問)
  • ① 社会一般、建設行政、入札・契約制度等の知識
  • 社会一般、建設行政等(建設産業関連法令、技術者制度、技術者倫理など)
  • 入札・契約制度等(発注方式、仕様書、委託契約、守秘義務、瑕疵担保など)
  • 環境行政(土壌地下水汚染の歴史と現状、環境法令、土壌汚染対策法など)
  • ② 地質、測量、土木・建築一般等の知識
  • 地質、測量(地形、地理、鉱物、地震、火山など)
  • 土木・建築一般等(構造物基礎、液状化、地すべり、トンネル、ダムなど)
  • 汚染物質の特徴(重金属、油類、農薬、PCB、揮発性有機化合物など)
  • ③ 現場・専門技術の知識
  • ボーリング機器(名称・用途・機構等)
  • 運搬・仮設(掘進開始前および終了後の作業を行うための技術)
  • 掘進技術(目的に応じたボーリングを確実に行うための技術)
  • サンプリング・原位置試験および孔内検層(試料採取と現場における諸試験に関する知識と技法)
  • 岩・土の判別分類(現場における岩や土の判別分類の知識と日報、柱状図等の作成方法)
  • 土壌汚染状況調査(調査手順、おそれの区分、試料採取計画、調査結果の評価など)
  • 詳細調査と認定調査(調査方法、調査結果の評価など)
  • 現場技術(土壌ガス調査、地下水調査、表層土壌採取、ボーリング調査など)
  • ④ 調査技術の理解度
  • 地質踏査、調査の目的・計画、調査結果の適用と解釈、資料のまとめ方など
  • 調査結果の解釈、汚染除去措置の理解度など
  • ⑤ 管理技法
  • 法規、渉外、安全管理、工程管理など
  • 土壌・地下水汚染調査に関する安全確保器具、安全管理体制。オンサイト措置など
□記述式問題(2問)
  • ① 倫理綱領に関する問題(論述式-必須問題:1問)
  • ② 土壌・地下水汚染調査の計画や現場技術、 修復技術に関する問題(論述式-選択問題:3問のうち1問を選択し解答)

☆こんな問題が出ます


合格基準

各部門とも、おおよそ80%以上の正答率で合格となります。
(試験内容により、変動します。)


免除(科目等)について

下記の専門学校指定学科を卒業し、かつ、ボーリングに関する機器等の操作を行う実務に関して2 年以上の実務経歴を有する者については、検定試験が免除され、書類審査により、合否が判断されます。

  • 札幌工科専門学校(建設システム学科ジオ(地質)エンジニアコース)
  • 東北理工専門学校(調査設計科)
  • 新潟工科専門学校(土木開発工学科環境地質コース)
  • 国土建設学院(建設学部土木地質工学科)
  • 中央工学校(土木工学科環境地学専攻)

また、夏季の講習会を受講し、修了することにより、最大5点加点されます。(受講加点制度)
(富士教育訓練センターおよび全国建設研修センターが主催した研修会については、修了証の写しを添付することが必要です。)

  • ① 各地区地質調査業協会が主催した検定試験の事前講習会
  • ② 富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)が主催した以下の研修
  • ボーリング(地質調査)技術者の入職時教育
  • サンプリング基本技術研修
  • サウンディング基本技術研修
  • 斜面防災のための調査・計測基本技術研修(斜面防災マスターコース)
  • 地盤環境調査基本技術研修
  • ③ 全国建設研修センター(東京都小平市)が主催した地質調査研修
  • ④ 土壌・地下水汚染部門 自己学習用サイト

願書申込み受付期間

4月上旬〜5月上旬頃まで


試験日程

7月中旬頃(7月第2土曜日)


受験地

札幌、仙台、新潟、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄


受験料(税込み)

18,480円


合格発表日

9月上旬頃
登録料:13,200円(税込み)


合格後の更新について

地質調査技士の有効期間は5年間です。
更新するためには、登録更新講習会で受講し資格の更新を行うか、CPDの取得及び、CPD記録の報告を行う必要があります。取得部門ごとに必要CPD単位があり、以下記載する単位以上取得する必要があります。本登録更新の手続きを行わなかった場合、保有している資格は翌年3月末日をもって失効となります。

  • 1部門:125単位/5年間
  • 2部門以上:175単位/5年間

また、取得した部門ごとに対象CPDがあり、以下の該当単位を対象として取得する必要があります。
【現場調査】、【現場技術・管理部門】

  • 地質調査に関連した内容のCPD

【土壌・地下水部門】

  • 地質調査に関連した内容のCPDのほか、土壌・地下水に関連した内容のCPD単位(最低50単位)

CPD単位の取得形態は、下記により取得したものがCPDの対象となります。

  • ① 講習会の参加:
    社外の組織が主催した講習会、研修会、現場見学会
  • ② 社内の勉強会など:
    社内で開催した勉強会、講習会等への参加
  • ③ 自己学習:
    関連の内容のプログラムに即した自己学習(関連教材・書籍等による学習も含む)
  • ④ 現場経験、現場管理経験
    主任技術者、現場管理者等で従事した現場経験で特に自己学習に繋がる
      経験となったもの
  • ⑤ 委員会活動など:
    全地連、地区協会、県協会、学会等の活動

CPDの報告形式については、所定の様式(Excel/ジオ・スクーリングネットが提供する自己学習管理サービス)を使用し提出します。



●講習内容

  • ① 地質調査業について
  • ② 地質調査技術者について
  • ③ 調査ボーリングの基本技術と安全・現場管理のレビュー
  • ④ 調査ボーリングの周辺技術動向
  • ⑤ 効果測定

●更新講習申込受付期間

□登録更新講習会受講形式

9月上旬〜10月中旬頃まで

□CPD記録 報告形式

9月上旬〜12月中旬頃まで


●受講日程

11月上旬〜1月中旬頃 受講地により異なります。詳しくは実施団体HPをご覧下さい。


●受講地

札幌、仙台、新潟、金沢、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本、沖縄

●更新料(税込み)

全地連会員会社に所属する方:13,500円
上記以外:20,500円


受験申込・問合せ

一般社団法人 全国地質調査業協会連合会 03-3518-8873
北海道地質調査業協会 011-251-5766
東北地質調査業協会 022-299-9470
北陸地質調査業協会 025-225-8360
関東地質調査業協会 03-3252-2961
中部地質調査業協会 052-937-4606
関西地質調査業協会 06-6441-0056
中国地質調査業協会 082-221-2666
四国地質調査業協会 087-899-5410
九州地質調査業協会 092-471-0059
沖縄地質調査業協会 098-988-8350


ホームページ

一般社団法人 全国地質調査業協会連合会


参考書・問題集

関連書籍はこちら 資格[PR]


地質調査技士に関連する資格

不動産鑑定士  技術士・技術士補  土壌環境監理士  ボーリングマシン運転者