非破壊試験技術者
非破壊試験技術者とは?
非破壊試験技術者とは、放射線や超音波などを使用し製品を傷つけることなく検査し、製品の安全性や品質を調査する技術者を認定する資格です。
その他情報
難易度は? | : | レベル1:★★★☆☆(普通)。 レベル2、レベル3:★★☆☆☆(やや易しい)。 近年合格率は、レベル1:45.4% レベル2:30.2% レベル3:30.4%。 |
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就職は? | : | 非破壊検査会社。素材と構造部を破壊しないで欠陥や疲労度を調査する専門家のニーズは高く、就・転職にも有利です。 | ||||||
仕事内容は? | : | 発電所、各種プラント、橋梁、道路、ビル、鉄道といった構造物に内在する欠陥、劣化の状況の調査を行います。 | ||||||
年収は? | : | 製品検査従事者(金属製品)の平均年収は427.8万円(賞与込)です。
(2023年:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より) |
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資 格 概 要
受験資格
以下の@〜Cの条件を満たしている必要があります。
- ① NDT・レベル別に要求される最小限の訓練時間(※表1)
- ② 視力の要求(近方視力、色覚)
- ③ 「非破壊試験に関わる者の倫理規程」及び「資格試験実施案内《新規・再試》(本書類)」に記載してある事項への同意。
- ④ レベル3の受験申請については、申請するNDT方法のレベル2資格証明書を保持していること。
※表1
- ① 各NDT方法における最小限の訓練時間
NDT 方法 | レベル 1 | レベル 2 | レベル 3 | ||||||
レベル 1 資格保持者 |
レベル 1 資格非保持者 |
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RT | 40時間 | 80時間 | 120時間 | 40時間 | |||||
UT | 40時間 | 80時間 | 120時間 | 40時間 | |||||
MT | 16時間 | 24時間 | 40時間 | 32時間 | |||||
PT | 16時間 | 24時間 | 40時間 | 24時間 | |||||
ET | 40時間 | 48時間 | 88時間 | 48時間 | |||||
ST | 16時間 | 24時間 | 40時間 | 20時間 | |||||
TT | 40時間 | 80時間 | 120時間 | 40時間 | |||||
LT | B-圧力法 | 24 時間 | 48時間 | 32時間 | 72時間 | 56時間 | 120時間 | 32時間 | 72時間 |
C-トレーサガス法 | 24 時間 | 40時間 | 64時間 | 40時間 |
- ② 各限定NDT方法における最小限の訓練時間
限定 NDT 方法 | 限定レベル1 | 限定レベル2 | |
限定レベル1 資格保持者 |
限定レベル1 資格非保持者 |
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UM | 20時間 | - | - |
MY | 8時間 | 16時間 | 24時間 |
ME | 8時間 | - | - |
PD | 8時間 | 16時間 | 24時間 |
試験の種類
□NDT方法
- ① 放射線透過試験(RT)(レベル1、レベル2、レベル3)
- ② 超音波探傷試験(UT)(レベル1、レベル2、レベル3)
- ③ 磁気探傷試験(MT)(レベル1、レベル2、レベル3)
- ④ 浸透探傷試験(PT)(レベル1、レベル2、レベル3)
- ⑤ 過電流探傷試験(ET)(レベル1、レベル2、レベル3)
- ⑥ ひづみゲージ試験(ST)(レベル1、レベル2、レベル3)
- ⑦ 赤外線サーモグラフィー試験(TT)(レベル1、レベル2、レベル3)
- ⑧ 漏れ試験(LT)(レベル1、レベル2、レベル3)
□限定NDT方法
- ① 超音波厚さ測定(UM)(レベル1)
- ② 極間法磁気探傷検査(MY)(レベル1、レベル2)
- ③ 通電法磁気探傷検査(ME)(レベル1)
- ④ 溶剤除去性浸透探傷検査(PD)(レベル1、レベル2)
試験内容
●レベル1、レベル2(120分)
□一次試験
- ① 一般試験:40問以上、専門問題:30問以上
- 放射線透過試験(RT)
- 超音波探傷試験(UT)
- 過電流探傷試験(ET)
- 赤外線サーモグラフィー試験(TT)
- ② 一般試験:30問以上、専門問題:30問以上
- 磁気探傷試験(MT)
- 浸透探傷試験(PT)
- ひづみゲージ試験(ST)
- 漏れ試験(LT)
- 超音波厚さ測定(UM)
- 極間法磁気探傷検査(MY)
- 通電法磁気探傷検査(ME)
- 溶剤除去性浸透探傷検査(PD)
□二次試験
- ひずみゲージ試験(ST)を除くNDT方法の場合:
- 装置についての知識、NDT試験体への適用、不連続部の検出及び報告によりレベル1又はレベル2技術者としての知識ならびに技量の程度を判定します。
- ひずみゲージ試験(ST)の場合:
- 装置についての知識、NDT試験体への適用、測定結果の整理及び報告書の作成によりレベル1又はレベル2技術者としての知識ならびに技量の程度を判定します。
●レベル3(150分)
□一次試験
- ① パートA(25問以上)
- ② パートB(10問以上)
- ③ パートC(60問以上(選択した4NDT×15問以上))
□二次試験
- ① パートD(多項選択式:30問以上)
- ② パートE(多項選択式:20問以上)
- ③ パートF(記述式:手順書作成/60分)
合格基準
●レベル1、レベル2
□1次試験(筆記)
満点中、70%以上の得点率で合格となります。
□2次試験(実技)
以下全てを満たすことで合格となります。
- 各試験体で各々70%以上の点数を得た者。
- レベル2については NDT 指示書の作成も 70%以上の点数を得た者。
●レベル3
□1次試験(筆記)
一般問題と専門問題とも、それぞれ満点中、70%以上の得点率で合格となります。
□2次試験(実技)
筆記試験(主要方法試験)で、次の試験パートD,E,Fについて各々70%以上の点数を得た者
- ① 申請した NDT 方法に関連するレベル3の知識
- ② 関連する分野における NDT 方法の適用等に関する問題
- ③ 関連する分野における NDT 方法の手順書の作成問題
免除(科目等)について
一次試験、又は二次試験において最初の試験に不合格となった者は、次回及び次々回に行われる試験のみ新規再試験として受験することができます。
願書申込み受付期間
- ① 1月下旬〜2月上旬頃まで
- ② 7月下旬〜8月上旬頃まで
試験日程
□1次試験
- ① 3月下旬頃
- ② 9月下旬頃
□2次試験
- ① 5月〜6月の指定日
- ② 11月〜12月の指定日
※年度により月が異なる場合があります。
受験地
□1次試験
札幌、仙台、千葉、東京、神奈川、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、長崎
□2次試験
千歳、東京、大阪、名古屋、広島、福岡
※年度、時期、種別、部門によりに異なる場合があります。
受験料(税込み)
各種1技術部門ごとに18,700円
合格発表日
□1次試験
- ① 4月中旬
- ② 10月中旬頃
□2次試験
- ① 7月中旬
- ② 翌年1月中旬頃
試験合格後、新規認証登録の手続きを行う際に経験期間が必要となります。詳しくは、受験要項をご覧下さい。
合格後、登録されている送付先へ手続き書類が郵送されます。要求事項が満たされることで、資格証明書(有効期間5年)が送付されます。
※認証申請料・・・・14,300円(税込み)
合格後の更新について
非破壊試験技術者の有効期間は5年間です。
更新するためには、5年目の有効期限日約4〜5 ヵ月前に通知される【更新登録】と10年目に行う【再認証登録】があります。
●登録更新
試験合格後、有効期限前に実施される【資格継続調査】において資格継続調査票を提出する必要があります。
更新料(1NDT方法、1レベル当たり):7,700円
- ① 再認証にさかのぼる12ヵ月の期間内に、視力・色覚の要求事項を満たすこと
- ② 過去5年間における認証を受けたNDT方法において、NDT業務に大幅な(連続して1年を超える期間の)中断がないこと
●再認証登録
試験合格後、10年目の有効期限前に実施される【資格継続調査】において資格継続調査票を提出する必要があります。
再認証試験、再試験@、再試験A:それぞれ18,700円
認証申請料・・・・14,300円(税込み)
- ① 再認証にさかのぼる12ヵ月の期間内に、視力・色覚の要求事項を満たすこと
- ② 過去5年間における認証を受けたNDT方法において、NDT業務に大幅な(連続して1年を超える期間の)中断がないこと
※上記の資格継続調査票が期限までに提出されない場合、資格が失効します。
受験申込・問合せ
一般社団法人 日本非破壊検査協会 03-5609-4014
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