LinuC
LinuCとは?
LinuCとは、2018年3月に提供開始された試験で、今のクラウド時代におけるLinuxエンジニアに欠かせない「クラウド」「オープンソースのリテラシー」「システムアーキテクチャの知見」のスキルの保持を証明することができる資格です。
その他情報
難易度は? | : | レベル3★★★★☆(やや難しい)。 レベル2★★★☆☆(普通)。 レベル1★★☆☆☆(やや易しい)。 合格率は、非公開。 難易度はLPICとほぼ同じです。 |
就職は? | : | IT企業。クラウド関連の技術者が不足しているので、経験者、未経験者とも求人が多いです。採用や人事評価に取り入れる企業も多くあります。 |
仕事内容は? | : | サーバー・ネットワークの運用・保守・設計・構築などを行います。 |
資 格 概 要
受験資格
●LinuCレベル1
制限無し
●LinuCレベル2
制限無しですが、認定にはレベル1を保有している必要があります。
●LinuCレベル3
制限無しですが、認定にはレベル2を保有している必要があります。
●LinuCシステムアーキテクト
制限無しですが、認定には「有意なLinuCレベル2の認定」を保有し、かつ、SA01試験とSA02試験の両方に合格する必要があります。
試験内容
●LinuCレベル1
LinuCレベル1に認定されるためには101試験と102試験の両方に合格する必要があります。また、認定されるためには2試験(101試験と102試験)を5年以内に合格する必要があります。
□101試験(60問/90分(実質85分))
- ① Linuxのインストールと仮想マシン・コンテナの利用
- Linuxのインストール、起動、接続、切断と停止
- 仮想マシン・コンテナの概念と利用
- ブートプロセスとsystemd
- プロセスの生成、監視、終了
- デスクトップ環境の利用
- ② ファイル・ディレクトリの操作と管理
- ファイルの所有者とパーミッション
- 基本的なファイル管理の実行
- ハードリンクとシンボリックリンク
- ファイルの配置と検索
- ③ GNUとUnixのコマンド
- コマンドラインの操作
- フィルタを使ったテキストストリームの処理
- ストリーム、パイプ、リダイレクトの使用
- 正規表現を使用したテキストファイルの検索
- エディタを使った基本的なファイル編集の実行
- ④ リポジトリとパッケージ管理
- apt コマンドによるパッケージ管理
- Debianパッケージ管理
- yumコマンドによるパッケージ管理
- RPMパッケージ管理
- ⑤ ハードウェア、ディスク、パーティション、ファイルシステム
- ハードウェアの基礎知識と設定
- ハードディスクのレイアウトとパーティション
- ファイルシステムの作成と管理、マウント
□102試験(60問/90分(実質85分))
- ① シェルおよびスクリプト
- シェル環境のカスタマイズ
- シェルスクリプト
- ② ネットワークの基礎
- インターネットプロトコルの基礎
- 基本的なネットワーク構成
- 基本的なネットワークの問題解決
- クライアント側のDNS設定
- ③ システム管理
- アカウント管理
- ジョブスケジューリング
- ローカライゼーションと国際化
- ④ 重要なシステムサービス
- システム時刻の管理
- システムのログ
- メール配送エージェント(MTA)の基本
- ⑤ セキュリティ
- セキュリティ管理業務の実施
- ホストのセキュリティ設定
- 暗号化によるデータの保護
- クラウドセキュリティの基礎
- ⑥ オープンソースの文化
- オープンソースの概念とライセンス
- オープンソースのコミュニティとエコシステム
●LinuCレベル2
LinuCレベル2に認定されるためには201試験と202試験の両方に合格する必要があります。また、認定されるためには2試験(201試験と202試験)を5年以内に合格する必要があります。
□201試験(60問/90分(実質85分))
- ① システムの起動とLinuxカーネル
- ブートプロセスとGRUB
- システム起動のカスタマイズ
- Linux カーネルの構成要素
- Linuxカーネルのコンパイル
- カーネル実行時における管理とトラブルシューティング
- ② ファイルシステムとストレージ管理
- ファイルシステムの設定とマウント
- ファイルシステムの管理
- 論理ボリュームマネージャの設定と管理
- ③ ネットワーク構成
- 基本的なネットワーク構成
- 高度なネットワーク構成
- ネットワークの問題解決
- ④ システムの保守と運用管理
- makeによるソースコードからのビルドとインストール
- バックアップとリストア
- ユーザへの通知
- リソース使用状況の把握
- 死活監視、リソース監視、運用監視ツール
- システム構成ツール
- ⑤ 仮想化サーバー
- 仮想マシンの仕組みとKVM
- 仮想マシンの作成と管理
- ⑥ コンテナ
- コンテナの仕組み
- Dockerコンテナとコンテナイメージの管理
□202試験(60問/90分(実質85分))
- ① ネットワーククライアントの管理
- DHCPサーバーの設定と管理
- PAM認証
- LDAPクライアントの利用方法
- OpenLDAPサーバーの設定
- ② ドメインネームサーバー
- BINDの設定と管理
- ゾーン情報の管理
- セキュアなDNSサーバーの実現
- ③ HTTPサーバーとプロキシサーバー
- Apache HTTPサーバーの設定と管理
- OpenSSLとHTTPSの設定
- nginxの設定と管理
- Squidの設定と管理
- ④ 電子メールサービス
- Postfixの設定と管理
- Dovecotの設定と管理
- ⑤ ファイル共有サービス
- Sambaの設定と管理
- NFSサーバーの設定と管理
- ⑥ システムのセキュリティ
- iptables や firewalld によるパケットフィルタリング
- OpenSSH サーバーの設定と管理
- OpenVPNの設定と管理
- セキュリティ業務
- ⑦ システムアーキテクチャ
- 高可用システムの実現方式
- キャパシティプランニングとスケーラビリティの確保
- クラウドサービス上のシステム構成
- 典型的なシステムアーキテクチャ
●LinuCレベル3
レベル3の試験は専門試験のため、それぞれ別々の認定となります。LinuCレベル2を保有し、かつ、300試験(Mixed Environment)、303試験(Security)、304試験(Virtualization & High Availability)いずれか一つの試験に合格することでLinuCレベル3のそれぞれに該当した認定を取得できます。
□300試験(Mixed Environment)(60問/90分(実質85分))
- ① OpenLDAP の設定
- OpenLDAPのレプリケーション
- ディレクトリの保護
- OpenLDAPサーバのパフォーマンスチューニング
- ② OpenLDAPの認証バックエンドとしての利用
- PAMおよびNSSとLDAPの統合
- アクティブディレクトリおよびKerberosとLDAPの統合
- ③ Sambaの基礎
- Sambaの概念とアーキテクチャ
- Sambaを設定する
- Sambaの保守
- Sambaのトラブルシューティング
- 国際化
- ④ Sambaの共有の設定
- ファイルサービス
- Linuxファイルシステムと共有/サービスのパーミッション
- プリントサービス
- ⑤ Sambaのユーザとグループの管理
- ユーザアカウントとグループアカウントの管理
- 認証と許可およびWinbind
- ⑥ Sambaのドメイン統合
- SambaのPDCとBDC
- Samba4のAD互換ドメインコントローラ
- Sambaをドメインメンバーサーバとして設定する
- ⑦ Sambaのネームサービス
- NetBIOSとWINS
- アクティブディレクトリの名前解決
- ⑦ LinuxおよびWindowsクライアントの操作
- CIFS連携
- Windowsクライアントの操作
□303試験(Security)(60問/90分(実質85分))
- ① 暗号化
- X.509 証明書と公開鍵の基礎
- 暗号化、署名および認証のX.509 証明書
- 暗号化ファイルシステム
- DNS と暗号化
- ② ホストセキュリティ
- ホストの堅牢化
- ホストの侵入検知
- ユーザの管理と認証
- FreeIPA のインストレーションとSambaの統合
- ③ アクセス制御
- 任意アクセス制御
- 強制アクセス制御
- ネットワークファイルシステム
- ④ ネットワークセキュリティ
- ネットワークの堅牢化
- ネットワークの侵入検知
- パケットフィルタ
- 仮想プライベートネットワーク(VPN)
□304試験(Virtualization & High Availability)(60問/90分(実質85分))
- ① 仮想化
- 仮想化の概念と理論
- Xen
- KVM
- その他の仮想化ソリューション
- Libvirt および関連ツール
- クラウド管理ツール
- ② 高可用クラスタ管理
- 高可用性の概念と理論
- ロードバランスクラスタ
- フェイルオーバークラスタ
- エンタープライズLinuxディストリビューションの高可用性
- ③ 高可用クラスタストレージ
- DRBD / cLVM
- クラスタファイルシステム
□SA01試験(約40問/90分(実質85分))
- ① システムアーキテクチャ
- アーキテクチャの設計原則と主要パターン
- 柔軟性を高めるアーキテクチャパターン
- ② ネットワークとストレージの選定
- 拠点内のネットワーキング
- 拠点間のネットワーキング
- ストレージとアクセスプロトコル
- 集中型および分散型ストレージ
- ③ 可用性の設計
- フェイルオーバークラスタ
- 負荷分散と障害の局所化
- データレプリケーションと災害対策
- ④ 性能・拡張性の設計
- 性能見積もりと評価
- 性能の改善
- 性能の拡張
□SA02試験(約40問/90分(実質85分))
- ① 仮想マシンとコンテナの設計
- 仮想マシンの設計と管理
- コンテナの設計とビルド
- コンテナオーケストレーション
- ② セキュリティ
- 認証認可とアクセス制御
- セキュリティの予防措置
- セキュリティインシデントの検出
- ③ 監視と分析
- ログ・メトリクス・トレースの取得・収集
- 監視と対処
- 収集したデータの保全と分析
- ④ 継続的開発とテスト・デプロイ
- テストの設計と効率化
- 機能変更時の設計
- 継続的な統合とデプロイ
- ④ トラブルシューティング
- 障害時の基本手順
- ケーススタディ
合格基準
各試験とも非公開ですが、目安として800点満点中、520点以上(65〜75%程度)の正解率で合格となります。
身体上の障害等に係る特別措置について
試験時間の延長、朗読者、次項に記載のない医療器具・補助具・医薬品等の試験室内での使用等は、事前の申請・承認が必要になります。
また、申請内容によっては、医師による診断書等が必要になる場合や、審査や承認等にさらに時間がかかる場合もあります。
- ① pvjppc@pearson.com宛てに申請書を依頼
- ② ピアソンVUEから申請書、注意事項の案内
- ③ Aに必要事項を記入(医師による記入が必要になる場合があります。)
- ④ pvjppc@pearson.com宛てに申請書を送信(審査に1週間程度)
- ⑤ 承認された場合はピアソンVUEから許可証がEメールで返信されます。
- ⑥ 許可後、試験の予約を行って下さい。
(申請書を送付してから予約申し込みまで2週間程度掛かります。)
※
許可証は発行日より1年間有効。有効期間内であれば、再申請をせずに、同一認定団体の試験の受験に再度適用可能
※
1年以内であれば、6か月間の期間延長を申請することも可能
願書申込み受付期間
随時
試験日程
随時
受験地
全国のピアソンVUEの公認試験会場
受験料(税込み)
□101試験、102試験()
1試験あたり16,500円
□201試験、202試験
1試験あたり16,500円
□300試験、303試験、304試験
1試験あたり16,500円
□SA01試験、SA02試験
1試験あたり27,500円
合格発表日
試験終了後、即時
不合格の場合、LinuCの同一科目を受験する際、2回目の受験については、受験日の翌日から起算して7日目以降(土日含む)より可能となります。
詳しくは、「再受験ポリシー」をご覧下さい。
合格後の更新について
認定の有効期限はありませんが、「有意性の期限」があります。認定の有意性を維持するためには「認定日から5年以内」に再認定が必要です。または保有する認定レベルより上位の認定を5年以内に取得する必要があります。
詳しくは「再認定ポリシー(有意性の期限)」をご覧ください。
受験申込・問合せ
LPI Japan 03-3568-4482
ピアソンVUE 0120-355-583
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